農学研究科案内
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農環境生物学 環境物質科学

今石 浩正 教授 
森垣 憲一 准教授 
乾 秀之 准教授 

 21世紀は「分子ゲノム科学」の時代です。ヒト、植物、昆虫、微生物などのゲノム研究の成果に基づいて、遺伝子工学やナノテクノロジーを駆使して食糧と環境の関わりを明かにすると共に、安全性の高い農業などの生物生産系を確立することを目指します。また、近年めざましい発展を続けているナノバイオテクノロジーを駆使して遺伝子組換え作物や生物農薬はもとより、化学農薬などの環境負荷化学物質に対する検査法や安全性を確立する技術開発も大切です。それと共に、新たな環境制御化学物質の発見・利用を目指したバイオコンビナトリアルケミストリーを用いた生体関連物質変換系の確立を目在します。そうした未来を目指した「分子ゲノム科学」や「環境負荷化学物質科学」に関する研究・教育を行います。


除草剤耐性トランスジェニック・タバコ植物のブルガリアにおける野外評価試験

もう少し専門的に知りたい方へ

1)ナノバイオテクノロジーを用いた生体関連物質の環境科学への利用に関する分子生物学的研究

生体内では、生物が固有に有している運動機能をナノレベルで精密かつ緻密に制御することにより複雑な生命機能を維持しています。近年、バイオ研究と工学の有機的な連携が急速に発展した事により、従来では考えられなかった新たな異種研究分野が発達してきました。本研究室では、いわゆる“ナノバイオノロジー”と呼ばれるこれらの技術を用い、生体関連物質および農薬などの環境化学物質の環境中での動態を観察・制御するためのナノバイオセンサーなどの新しい研究を行っています。

2)チトクロームP450を用いた生体関連物質変換系に関する研究

生物と環境の係わりに関与する遺伝子を環境遺伝子と呼びます。その代表例がチトクロームP450です。チトクロームP450は微生物、植物、動物などの生物界に広く分布し、極めてバイオダイバシティーに富んでおり、しかも、多様な分子種から成り、その機能はシグナル物質やホルモンなどを含む二次代謝物の生合成ならびに外来脂溶性異物の代謝に関与しており、極めて多岐に渡ってます。植物には、例えば、シロイヌナズナには273、また、イネには458種のP450遺伝子が存在しています。そこで、新規のP450遺伝子をクローニングし、それらを大腸菌、植物などに発現させることにより、幅広い基質特異性を利用した“能動的化学物質転換系”を創製し、分子ゲノム時代のケモバイ研究分野へと発展させる新しい研究を行っています。

3)生物機能を利用した残留性有機汚染物質のモニタリングに関する研究

環境負荷化学物質、特にダイオキシン類、内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)類及びある種の残留農薬は、近年環境を広く汚染し、食物連鎖を通して生態系や人の健康へ影響を及ぼしている。そこで、これら環境負荷化学物質を汚染現場でモニタリングしたり、浄化する新技術の開発は重要である。私達は、これら化学物質を特異的に認識する動物由来の受容体や薬物代謝酵素を植物に付与・発現し、その形質転換植物を用いて環境負荷化学物質のモニタリング並びに浄化を試みている。また、これら化学物質を特異的に結合する抗体を用いて、環境サンプル中の環境負荷化学物質のモニタリング法を開発している。

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