応用生命化学コース 動物資源利用化学

 動物にはタンパク質、脂質が豊富に存在します。当研究室では、動物資源としてのタンパク質と脂質に着目し、その生体内での機能を調べることにより、品質管理や病気などの様々な新規マーカーの創生と、機能性食品やヘルスケア商品の開発、さらには創薬への応用を目指しています。一方で、脂質やタンパク質は、食品としての味やテクスチャーを決める重要な因子でもあることから、食肉の熟成による肉質改善の仕組み解明と肉質の評価および改良技術の開発を行うなど、食肉および肉製品の価値向上を目的とした研究も進めています。

図1:記憶障害を示すDGK・ノックアウトマウス(右)と形態異常を示す海馬初代培養細胞(左)
脂質キナーゼであるDGK・が神経の形態及び脳高次機能に重要であることを示している。
図2:筋肉から分離した筋原線維。(a)死直後、(b)熟成後は小片になり易い。
この変化は熟成で食肉が軟らかくなる一要因である。

具体的には4つのグループで以下のような研究を推進しています。

  1. 脂質及び脂質関連酵素に関する研究(白井グループ)
    神経系(記憶並び感情障害)におけるジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)の機能解析
    糖尿病性合併症におけるPKCとDGKの機能協関解析とその応用
    脂質シグナルの可視化による細胞周期制御及び癌化における核内脂質とDGKの機能解析など
  2. 食肉の熟成に関する研究
    食肉の保存と肉質に関する研究
    牛肉脂肪と食味性に関する研究
    熟成中の食肉軟化機構に関する研究など
  3. 加齢に関する研究(上田グループ)
    加齢に伴い変化する骨格筋蛋白質の発現量と翻訳後修飾の比較解析
    細胞外環境と筋芽細胞の増殖・分化に関わる細胞内シグナル伝達機構の解析など
  4. 腸内細菌叢に関する研究(福田グループ)
    難消化性タンパク質のプレバイオティクス効果の検証とその応用

 研究内容をもう少し詳しくしりたい方や、当研究室に興味のある大学院生は研究室HPもご覧下さい。

動物資源利用化学のホームページへ