2012年度 神戸大学大学院農学研究科 公開講座が開催されました

"農業と遺伝資源"未来への架橋となる動植物の多様性

 平成24年度 神戸大学大学院農学研究科 公開講座は平成24年9月8日(土)に開催いたしました。当日は残暑が厳しい中にもかかわらず、47名(事前申込み参加者41名、当日参加者6名)の参加がありました。
今日の我が国ならびに世界の農業が抱えている課題は多岐にわたっておりますが、今回の公開講座では、農学研究科附属食資源教育研究センターの研究成果を踏まえて、"農業"と"遺伝資源"をキーワードとして、当センターの教育研究活動内容を紹介するとともに、3名の先生方に講演いただき、広く市民や学生の皆様と議論を交えながら、これからの農業の進むべき一つの方向性について検討することを目的に実施いたしました。
定刻通り、内田一徳農学研究科長の挨拶のあと、まず、食資源研究センター長の石井尊生教授より当センターの概要について紹介いただきました。
その後、大山憲二教授に、「プロローグ ~方舟に乗せるべき遺伝資源~」、山崎将紀准教授に、「"イネの遺伝資源と多様性"過去から現在そして未来へ向けて何をやっていくか?」と題して講演いただきました。

研究科長挨拶
石井 尊生センター長の概要説明
大山 憲二教授の講演
山崎 将紀准教授の講演

  休憩をはさんで、本多健助教に、「家畜の遺伝的多様性 ~和牛(黒毛和種)のケース~」、片山寛則講師に、「東北地方に自生する野生梨"イワテヤマナシ"の評価・利用、保全をめざして」と題して講演をいただきました。特に、片山講師の課題は、神戸大学震災復興支援・災害科学研究推進室における東北震災の支援プログラムにも採択されたタイムリーな、イワテヤマナシの再有効利用に関する重要な研究報告でした。
何れの講演課題も“遺伝資源”という切り口から、動物ならびに植物の利用・再生・保全の観点から盛んな討議がなされ、将来の農業の方向性を示すことができたと考えております。

本多 健助教の講演
片山 寛則講師の講演
受講者風景

 今回は、食資源教育研究センターを中心に、講演課題を設定したため、当センターの活動内容なども広く市民の方にご理解いただけたのではないかと思います。
なお、来年度は、食の安全・安心科学研究センターを中心に、現在我が国が抱える食料問題に関して、平成25年9月14日(土)に、神戸大学百年記念会館にて開催する予定です。

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