農学研究科案内
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応用動物学 発生工学

宮野 隆 教授 
李 智博 准教授 

 動物の卵子と精子に関わる3つの大きなテーマを中心に、生化学や発生工学の手法を使って研究を進めています。「卵子は卵巣の中でどのように形成されるのか?」卵巣の中には莫大な数の卵子のもとになる卵母細胞が蓄えられていますが、このうちわずかな数の卵母細胞だけが決まった大きさにまで発育します。ブタやウシの小さな卵母細胞を体外で発育させる培養方法を作りだし、発育や成熟に関わる機構を調べています。「精巣で形成されたあと精子はどのような変化を受けて受精できるようになるのか?」精巣で作られた直後の精子は機能的には不完全ですが、精巣から続く一本の細長い管(雄性生殖道)を通過する間に、卵子との受精能力を発達させます。

しかし、実際に精子が受精能力を発現するには雌の体内(雌性生殖道内)の特殊な環境下におかれる必要があります。このような精子の受精能力の発達と発現を制御する分子を見つけだし、精子の受精メカニズムを解明しようとしています。「卵子はどのような機構によって発生を開始するのか?」卵子は、通常、精子の侵入によって発生を開始します。これを活性化と呼びます。精子の侵入がなくても、人為的な刺激によって卵子を活性化させることができます。この技術はクローンを作る際にも用いられます。今、いろいろな活性化法を用いて卵子の発生開始の機構を探ろうとしています。

もう少し専門的に知りたい方へ

 

生殖生物学・発生工学分野では家畜の生殖細胞に関する下記の3テーマを中心に研究を継続した。本年度の主要な研究成果は以下のとおりである。

1)哺乳動物卵母細胞の活性化ならびにその後の発生能力:活性化の方法、活性化後の卵母細胞の変化ならびに発生特性について、物質や精子を卵母細胞に注入したり、外部から刺激を与えることによって、その後の卵母細胞の変化について調べている。

2)哺乳類の卵子形成:哺乳類の卵母細胞は第一減数分裂を休止したままの状態で最終の大きさへと発育(成長)し、ホルモンの刺激を受けて減数分裂を再開して第二減数分裂中期へと成熟したのち、受精する。卵巣内の小さな卵母細胞を体外で発育させたり、発育途上の卵母細胞を人為的に第二減数分裂中期の状態に誘導することによって成熟卵母細胞を大量に生産できる可能性があり、家畜卵母細胞の長期培養、免疫不全マウスへの異種移植および細胞周期制御の3方向から研究を進めている。

3)ブタ精子の受精現象を制御する細胞内シグナリング:ブタ精子での受精能力発現に関与する炭酸水素イオン?環状アデノシン1リン酸シグナリングは、細胞内カルシウムイオン濃度の調節分子(チャンネルとポンプ)の機能を制御することを明らかにした。また、冷却ストレスによりブタ精子での受精能力発現が促進されることを分子レベルで示唆した。

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