農学部・研究科長からのメッセージ

農学を志す君たちへ

農学部・農学研究科長
白井 康仁

 最近卵など食料品が高いと感じたことはありますか?ここ数年夏が異常に暑いなと思うことはありませんか?毎日の食事には気を遣っていますか?現在、世界情勢の悪化に伴い農作物の肥料代や家畜の餌代は高騰しています。加えて、鳥インフルエンザに代表されるように、家畜や農作物は常に病気の危険にさらされています。また、温暖化に伴い猛暑や長雨など異常気象が世界各地で報告されています。そして、日本では高齢化が進み食事による健康管理が注目されています。

 農学部では、「農場から食卓まで」をスローガンに、上述のような様々な事象に深く関わる学問を学び、どうしたらよいのか共に考えることができます。例えば、環境に優しく災害に強い農業資材や農地に水を送るシステムを学び研究しています。世界情勢とも関連が深い食料需給の現状を学び、農業・農村・食品産業の発展に資する研究もしています。そして、動物や植物のしくみや生態を学び、より美味しく環境に適した農作物を作り出したり、家畜の病気を防ぐ学問や研究もあります。また、食品の機能性を高め、ヒトの健康に資するような研究もしています。そして、応用だけでなく、化学や生物、数学や物理といった基礎も学べます。これらの基礎から応用を学ぶことにことにより、これから将来起こるかもしれない様々に問題に対応することができるはずです。少しワクワクしませんか?

 さらに、ここ数年SDGsが叫ばれていますが、皆さんが活躍する時代は国際的視点が欠かせなくなっています。農業形態や食文化の違いだけでなく、食の安心・安全に対する意識も国によって様々です。このような違いを認識し、世界の多くの人々と共に問題を解決していく姿勢がないと、地球規模での持続的な発展はありません。農学部・農学研究科では、フィリピン大学ロスバニョス校や、米国ネブラスカ大学リーンカン校と連携し、様々なプログラムも提供しています。

 以上のように、、農学部・農学研究科では、皆さんの将来に役立つ様々な教育・研究を提供しています。これらの教育・研究を通して、日本の未来を担う卒業生を、そして世界で活躍できる研究者を育てることが我々の使命です。そのために教職員一丸となりお手伝いしますので、ぜひここで、高度な専門的知識や国際的視野、そして豊かな人間性を身につけて下さい。

2023年4月1日