生産環境工学 水環境学

多田 明夫 教授
田中 健二 助教

  河川流域における水の動きを水量・水質の両面から解明するとともに、洪水・渇水災害の防止法、水資源の有効利用法に関する教育研究を行っています。研究例として、河川からの物質の総流出量の推定法に関する研究、河川流域の土地利用と河川水質の定量的関係の把握、酪農流域の持続的な窒素循環に向けた有機質肥料の施用実態の解明に関する研究、流域治水に向けたため池の事前放流による洪水抑制機能の評価、洪水・低水流出解析と流出予測、アフリカなど海外における水資源管理と持続可能な潅漑農業に関する研究があります。

 研究課題として「河川からの物質の総流出量の推定法に関する研究」、「河川流域の土地利用と河川水質の定量的関係の把握」、「アフリカなど海外における水資源管理と持続可能な潅漑農業に関する研究」、「酪農流域の持続的な窒素循環に向けた有機質肥料の施用実態の解明に関する研究」、「流域治水に向けたため池の事前放流による洪水抑制機能の評価」、等があります。

 最近の主要な成果は以下の通りです。「河川からの物質の総流出量の推定法に関する研究」では、月1回など低頻度の水質データから、1年間の間に河川を通じて気流に供給される物質の総流出量(年河川負荷量)について、精度よく、かつ統計的に信頼しうる推定の研究をしています。年河川負荷量の値は湖沼や海の水環境保全や栄養塩(窒素・リン)管理に重要です。しかし、これまでその信頼しうる推定ができていませんでしたので、開発をしています。

 「河川流域の土地利用と河川水質の定量的関係の把握」では、瀬戸内海に流入する14流域の一級河川から海への年河川負荷量を推定し、その土地利用と供給量の関係を調べています。農業などの人間活動が瀬戸内海の水環境に与える影響を広域的かつ定量的に評価することは困難ですが、上にあげた年河川負荷量の推定法がこれを可能とします。生活排水や下水の影響を取り除くと、窒素やリンに関しては農地の影響が大きなことがわかっています。今後更にデータの追加検証が必要です。

 「酪農地域の有機質肥料の施用実態に関する研究」では、衛星画像解析により植生指数を計算し、牧草地と飼料用トウモロコシ圃場の判別をおこなっています。また、農業機械のGPSトラックデータを取得し、圃場ごとの有機質肥料の施用実態を解明することに取り組んでいます。

 「ため池の事前放流に関する研究」では、確率降雨計算や貯留関数法を用いて、ため池の流入量と流出量の差からピークカット率や逓減率をシミュレートし、事前放流した際の洪水抑制機能を評価しています。