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環境生物学コース 土壌学

藤嶽 暢英 教授 
鈴木 武志 助教 


土壌中に存在する緑色腐植酸の分離
作物(植物)の生育は土壌、大気、生物などの環境に影響を受けるだけでなく、逆に、これらの環境にも影響を及ぼしている。本研究分野では、植物と土壌との間で生じる化学反応を解明し、植物生産の持続的な生産技術の開発のための理論を形成することを目標としている。また、大量の有機性廃棄物について、環境保全を視点に入れた
効率的な物質循環の手法や原理を研究している。また、その中で、いわゆる「有機農業」の科学的解明も行っている。土壌環境の持つ環境保全機能の機構と土壌環境の負荷軽減技術の基本的原理についての教育研究も行っている。土壌や水系に存在する腐植物質の機能と構造に関する研究、など、基礎的教育研究を幅広く行っている。

もう少し専門的に知りたい方へ

土壌学分野で行ってきた研究の成果をまとめると下記のとおりである。

1)有機物の土壌での分解と作物への影響(有機農業の科学):土壌に施用された有機物は、その種類や施用された土壌の種類にかかわらず、準安定なタンパク様窒素(有機態窒素:PEON)に収れんすることを明らかにした。このPEONは一定のアミノ酸組成を持ち、分子量が約8000程度である。ニンジンやホウレンソウなどの植物は有機物施用で旺盛な生育を示し、導管液中に、このPEONに似た物質が存在することから、これらの植物は直接吸収する可能性があることを発見した。「有機農業」の原理にはこのPEONの構造とその機能の解明が急がれる。

2)腐植酸の特性に関する研究:各種スペクトル分析、高速サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)を用いて、各種腐植酸の類型化を行った。腐植酸をメチル化する方法を開発し、メチル化腐植酸と腐植酸をHPSECを用いて比較するとメチル化腐植酸の分子量は腐植酸の10分の1程度であり、土壌腐植の酵素による褪色の強さは土壌の種類によって違い、褪色により、腐植酸分子は分解した。

3)廃棄物の有効利用に関する研究:石炭灰と廃材チップを100℃で培養することにより、A型腐植酸様物質が生成された。この腐植酸は化学構造的にも天然A型腐植酸と類似していた。廃材チップに発酵助剤(ケイフン等)を用い、新鮮火山灰や石炭灰を添加して堆肥化した。10ヶ月以上の堆肥化でC/N比が15以下で硝酸態窒素が生成し、12.3 mg/100g以上あると生育障害はなかった。

4)水圏(湿原、池沼・湖、河川)存在する有機物の特性:神戸市周辺のため池水中に存在する可溶性有機物(DOM)と懸濁物質(SS)の濃縮・精製・有機物抽出方法を開発し、内分泌攪乱物質の疑いのあるフタル酸エステル類がため池中に多く存在することを明らかにした。

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