食料環境経済学コース 農業農村経営学

 農業・農村は,食料を生産する場だけでなく,歴史文化の継承や生態系保全など様々な役割があります。国際化と人口減少が進行する中で,農業も農村も,経済的,環境的,社会的にバランスの取れた持続可能な経営を成立させる必要があります。農業経営においては,大規模化・効率化を進めることは重要ですが,暮らしとともにある家族農業経営を維持することも同等に重要です。
 農村においては,高齢化・過疎化が進む一方で,若い世代の関心も高まっています。多様化する主体がどのように協働して,自治を進め,地域資源を管理していくのか,新しいビジネスを創出するのかなどが問われています。
 また,消費者の食料の安心・安全に対する関心が非常に高まっており,生産者・農村住民と消費者・都市住民との連携関係も重要な課題です。
 当研究分野では,安全な農産物・食料を持続的かつ効率的に生産・供給していくための農業経営と食料・農業関連産業のあり方や,持続可能な農山村地域の発展に関して,経営学,社会学,心理学の考え方や分析方法による理論的・実証的な教育研究を行っています。

 現在の主な研究テーマは,次のようなものです。
1)農村起業・新規就農・移住の促進,外部人材活用など,農業・農村の人材の育成と,そのための制度設計に関する研究
2)ステークホルダーとの関係構築,環境保全との相互補完関係に着目した農業経営の戦略と持続性に関する研究
3)農業・農村における協同組合や農業者組織(集落営農など)の役割や組織マネジメントに関する研究
4)地域資源(農地,水利,畦畔,食文化,祭礼など)の管理,継承・創造に関する研究
5)直売所,オーナー制度,農家レストラン,CSAなど,都市と農村,生産者と消費者の関係性に関する研究
6)自治組織(自治会,RMO),地域コミュニティのガバナンスや経営管理とその支援のあり方に関する研究

詳細はこちらの食料環境経済学講座ホームページを参照してください。