有史以来、家畜は食・衣・住の素材を提供し、人類の社会生活の形成の根幹を支え、家畜をめぐっての生活形態が民族固有の文化形成に深く関わってきました。しかしながら、近年のグローバル化は家畜の世界に大きな影響を与え、特定形質の生産効率の高い品種のみが飼育されるようになり、多数の品種が絶滅の危機にさらされている状況にあります。国連食糧農業機関(FAO)の報告では、現在登録されている約7,600種の家畜種のうち、過去15年間に190品種が絶滅し、さらに1,500品種が絶滅の危機に瀕しており、特に牛、ヤギ、豚、馬、家禽類など我々の生活に密接に関わってきた主要な家畜が過去5年間をとってみても60品種、つまり月に1品種が消滅しつつあります。動物遺伝育種学分野は、動物が有する有用な能力のさらなる開発を通じて、遺伝資源の活用を図るとともに、現存する在来家畜の進化的関連を明らかにすることにより有用な動物集団の遺伝的多様性の維持に関わる教育研究を展開しております。現在継続中の研究は以下の通りです。
私たちの具体的な研究内容や成果については下記のホームページに掲載しておりますので、動物の育種や遺伝的多様性に興味のある方はぜひ訪ねてみてください。