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応用動物学コース
動物分子形態学・組織生理学(形態機能学教室)

北川 浩 教授(組織生理学教育研究分野) 
星 信彦 教授(動物分子形態学教育研究分野) 
横山 俊史 助教(動物分子形態学教育研究分野) 
万谷 洋平 特命助教(組織生理学教育研究分野) 

 生命科学における研究の進展は、マクロ(形態)からミクロ(分子)へ、そしてミクロからマクロへと回帰しながら着実に進行し、より高い研究レベルでの複雑な系の解明に迫っています.形態機能学は高等脊椎動物の構造と機能を理解する上での「基本的バイブル」であり、動物における生命科学を遂行する上で無くてはならない極めて重要な分野です.私たちの教室では先人たちの積み重ねた形態学の膨大な知見と昨今急速に明らかになりつつある分子生物学的な知見とを同時に扱い、生命の成り立ちと仕組みを明らかにすることを目的に、顕微鏡レベルから分子レベルまでの動物の体の構造と機能との関連について教育と研究を行っています。現在継続中の研究は以下の通りです。

  1. 鳥類や哺乳類の消化管における非特異的生体防御機構、特に腸上皮細胞の細胞周期やアポトーシスと特異的生体防御機構との連関、さらにはアポトーシスと細胞の生理機能の発現に関する研究を推し進めています。(組織生理学分野)
  2. 雄と雌の差は何か。精巣と卵巣とは何が違うのか。生殖腺や脳に性差を与えるものは何か。その答えを得るべく、最近の分子遺伝学的解析データを踏まえ、性の決定と分化機構について各種遺伝子群の相互調節機構と形態形成との関連の解明を推進しています。(動物分子形態学分野)
  3. 環境中に放出・蓄積された残留化学物質による生態系や動物の健康への被害は遺伝子発現にも作用し、その影響は世代を越え、種の保存を脅かす地球規模での重大かつ深刻な問題となっていますが、その分子基盤に関する基礎・応用研究は少なく、これらの危機に面して解決の可能性を追求する分子毒性遺伝学的研究を行っています。(動物分子形態学分野)


図1左:小腸パイエル板濾胞被蓋上皮のアポトーシス発現部位に定着する常在細菌の光学顕微鏡像
図1右:骨髄内で脱核中の赤芽球の電子顕微鏡像


図2左:SRY陰性だった性分化異常症例における同一性腺に認められた卵巣と精巣組織の混在像
図2右:FISH (fluorescence in situ hybridization) 法を用いた性分化異常と染色体の解析像

もう少し専門的に知りたい方へ

形態機能学教室では、先人たちの積み重ねた形態学の膨大な知見と昨今急速に明らかになりつつある分子生物学的な知見とを同時に扱い、生命の成り立ちと仕組みを明らかにすることを目的に、『マクロ(形態)からミクロ(分子)へ、そしてミクロからマクロへ』を基本姿勢として、顕微鏡レベルから分子レベルまでの動物の体の構造と機能との関連について教育と研究を行っています。現在の主要な研究テーマは以下の通りです。

  1. 人や動物の消化管粘膜には多種の微生物が常在しており、さらに食物由来の様々な抗原が常時侵襲しています。これらの微生物や抗原に対する、免疫応答を主体とした特異的生体防御と免疫応答には依らない非特異的生体防御について総合的に研究を行っており、現在、粘膜上皮細胞のアポトーシスによる細胞交代による非特異的生体防御と食餌性抗原に対する局所免疫応答並びに同時に誘導される経口免疫寛容との関連、さらには消化管における常在細菌の定着やその制御のメカニズムとの関連について研究を行っています。

    1)今までに腸絨毛のアポトーシス発現上皮細胞から食物由来の抗原が特異抗体を介して吸収され、体循環血まで運ばれることや、同じシステムによって直径数μmの抗原粒子も体循環血まで運ばれることを明らかにし、現在そのメカニズムについてさらに研究しています。

    2)腸管内腔の免疫学的監視を行う濾胞被蓋上皮中のM細胞の細胞分化の過程を明らかにし、このM細胞が常在細菌の定着の制御に密接に関連することを明らかにしています。

    3)常在細菌の粘膜上での定着部位は上皮のアポトーシス発現部位が基本であることを明らかにし、現在その定着の仕組みについて研究中です。

    4)様々な組織や器官の細胞の生命現象とアポトーシスとの関連性についても研究を行っています。今までに哺乳類の赤血球が核を捨てる脱核現象や皮膚のアポクリン汗腺における離出分泌(アポクリン分泌)がアポトーシスの過程を利用していることも明らかにしています。(組織生理学分野)

  2. 生物は遺伝的多様性を獲得するために有性生殖という次世代に遺伝情報を受け継ぐシステムを構築しました。いうなれば、種の保存のための基盤が『性の決定・分化』であり、生物の雄・雌が決まる仕組みは極めて重要な個体発生の分化過程あるいは生命活動と考えられます。発生の基本的ミステリーは、1個の受精卵がいかにして増殖し、各動物固有の細胞、組織、器官に分化していくのか、です。とくに生殖腺はその形態や機能に唯一『性』依存的差異が認められる器官であり、その発生過程には「性分化」という通常の組織では不要なステップが介在します。この点が生殖腺の分化を複雑にしている反面、研究対象としては極めて魅力的な素材です。精巣と卵巣とは何が違うのか。生殖腺に性差を与えるものは何か。その答えを得るべく、最近の分子遺伝学的解析データを踏まえ、性の決定と分化機構について個体発生学的にそこに関与する各種遺伝子群の相互調節機構と形態形成との関連の解明を目的として以下の研究を行っています。

    1)高等動物の種の保存を決定づける有性生殖。その「性の決定・分化機構」における分子細胞遺伝機構の解明を行っています。

    2)生物がどのように発生・分化していくのかを明らかにするため、哺乳動物における器官形成とその制御機構に関する分子形態機能学的研究を行っています。

    3)雄と雌との間で違いが見られる行動様式、特に性行動の制御を司る脳のメカニズムとその雌雄差、さらには雌雄差を形成する過程を明らかにする研究を行っています。

    4)内分泌攪乱化学物質の次世代生殖器系の分化に関する分子毒性遺伝学的研究では環境中に存在する微量化学物質の生殖、免疫そして中枢神経系への影響についてそのメカニズムを解明しています。(動物分子形態学分野)

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